ブラジル最高裁は、今後付与される医薬品、製法、医療機器および/または材料に関する特許についての存続期間を変更する仮処分を発行しました。
ブラジルでは特許の存続期間は出願日から20年または特許付与日から10年となっており(ブラジル知的財産法40条)、20年を超える存続期間を有する特許が存在しています。この条項は特許保護の一時性の原則に違反するとして、2016年から違憲立法審査が提起されていました。
2021年4月7日、ブラジル最高裁は、2021年4月8日以降に付与される医薬品、製法、医療機器および/または材料に関する特許(patents covering pharmaceutical products and processes and medical equipment and materials for use in healthcare)について、特許付与日から10年の存続期間の適用を停止する仮処分を発行しました。
当該仮処分では対象となる特許の範囲は明示されていませんが、当該仮処分に関するブラジル特許庁の通知によると、対象となる特許は、医薬品および製法についてはブラジル知的財産法229-C条(ANVISAによる事前同意)に従うIPCによって、医療機器および材料については所定のIPCによって決定されるとのことです。
現状、既存の特許の存続期間や他の技術分野への影響はありませんが、最高裁において上記条項が違憲との最終判断がなされた場合、これらにも影響する可能性が指摘されています。今後の動向が注目されます。