USPTOは、2025年1月19日から新しい料金表を施行すると発表しました。多くの項目で少なくとも7.5%の値上げが実施されます。また、継続出願(CA)に関する新しい手数料や、IDSの文献数に応じた加算料金が導入されます。
主な改定内容は以下の通りです。
なお、特許、意匠、商標の全てについて、料金改定または手数料制度導入(新設)がありますが、ここでは、特許および意匠の一部のみを紹介します。
1.新設料金
(1)継続出願(CA)
現行料金(USD) | 改定後料金(USD) | |
最先の優先日から6年を超えて出願された場合 | 無し | 2,700 |
最先の優先日から9年を超えて出願された場合 | 無し | 4,000 |
※Small entity, micro entityには割引適用あり。
(2)IDS
現在は、基本料金(260 USD)で任意の数の文献数を提出できます。改定によって、基本料金に加えて累積の文献数に応じた新たな料金が導入されます。
現行料金(USD) | 改定後料金(USD) | |
累積の文献数51~100 | 無し | 200 |
累積の文献数101~200 | 無し | 500 |
累積の文献数201以上 | 無し | 800 |
※上記の500 USDと800 USDの料金に関しては、文献数に応じた別の料金をすでに支払っている場合には減額されます。
例えば、51件目の文献のIDS提出をする際に200 USDの料金を支払っている場合、101件目の文献のIDS提出をする際には500 – 200 = 300 USDを支払います。
2.改定料金
(1)特許出願料金
現行料金(USD) | 改定後料金(USD) | |
特許出願料金(出願、調査、審査費用の合計) | 1,820 | 2,000 |
PCT米国移行出願料金(出願、調査、審査費用の合計) | 1,660 | 1,810 |
(2)クレーム数に応じたクレーム加算料
現行料金(USD) | 改定後料金(USD) | |
3個を超える独立クレームの 1クレームあたりの加算料 |
480 | 600 |
20個を超える独立クレームの 1クレームあたりの加算料 |
100 | 200 |
※Small entity, micro entityには割引適用あり。
(3)継続審査請求(RCE)
現行料金(USD) | 改定後料金(USD) | |
最初のRCE | 1,360 | 1,500 |
2回目以降のRCE | 2,000 | 2,860 |
※Small entity, micro entityには割引適用あり。
(4)特許期間延長申請(PTE)
現行料金(USD) | 改定後料金(USD) | |
PTE | 1,180 | 2,500 |
※Small entity, micro entityには割引適用あり。
(5)意匠出願料金
現行料金(USD) | 改定後料金(USD) | |
意匠出願料金 | 220 | 300 |
上記以外にも、応答期間延長費用、審判請求費用、登録・維持年金費用、ターミナルディスクレーマー費用等に関して、それぞれ10%弱の値上げが実施されています。
料金改定や費用の新設がされますので、出願(パリルート、PCT米国移行、継続出願等)、IDS提出、継続審査請求(RCE)等の手続きを行われる際にはご留意ください。
詳細につきましては、Federal Register: Setting and Adjusting Patent Fees During Fiscal Year 2025をご確認ください。
(高山 望)