ブラジル産業財産庁は、特許審査ハイウェイ(PPH)に関して、2024年11月29日付省令第48号(Portaria INPI/PR #48/2024) 及び2024年12月23日付省令第26号(Portaria INPI/DIRPA #26/2024)を公表しました。
当該省令で定められたパイロットプロジェクト(フェーズV)によれば、前回のパイロットプロジェクト(フェーズⅣ)を定めた2022年12月16日付省令第78号(Portaria INPI/PR #78/2022)を廃止すること等に伴い、PPHの申請件数の上限が以下のように大幅に拡大されます。
・全PPH申請件数の上限:800件/年から、3200件/年(800件/四半期)に拡大
・同一の国際特許分類(IPC)の各セクションへのPPH申請件数の上限:250件/年から1000件/年に拡大
・PCT-PPH申請件数の上限:100件/年の上限が廃止
・1出願人当たりの全PPH申請件数の上限:1件/週の上限が廃止
なお、ブラジル産業財産庁で現在処理されている件数を考慮し、2025年の第1四半期においては、IPCがH04(電気通信技術)である出願のPPH申請は受理されません。このような特定のIPCの出願に対するPPH申請の制限は、四半期ごとに見直されるとのことです。
上記プロジェクトの運用期間は、2025年1月1日~2029年12月31日です。
2024年において、PCT-PPH申請は3月、全PPH申請は7月で年間上限に達したことに鑑みると、PPHの利用可能性が大幅に向上します。
今後、ブラジルにおけるPPHの積極的な利用が期待されます。
(参考)
Jetro HP:
・特許審査ハイウェイ(PPH)フェーズV、申請上限を大幅に拡大
・ブラジル知的財産ニュース(月報)Vol.98(2024年12月分)
(中谷 俊博)