2014年12月12日、ドイツ・バイエル社の保有する肝細胞がん・腎細胞がんに対する苦痛緩和薬(ネクサバール)の特許に対してインドのジェネリックメーカーNatco社に許諾された強制実施権につき、その許諾取消を求めたバイエル社の上告(特別許可申請:Special Leave Petition)が、インド最高裁によって却下された。(Bayer Corporation v. Union of India & ORS, 12/12/2014, Sup.Ct. of India)
判決文は、「最高裁は関与しない。上告(特別許可申請)は却下される。法律問題については検討していない。」というものであり、最高裁は自らの見解を述べていない。
裁判の過程において (i) Natco社が、インド最高裁からの問いに対し、1万7千人以上の患者が当該医薬品(ネクサバール)を必要としていると回答したこと、(ii) インド最高裁が、バイエル社はネクサバールを必要としている相当数の患者に当該医薬品を供給できていないと指摘したこと、(iii) ロイヤルティ率の決定に関して、インド最高裁がバイエル社に対し同社の研究開発費を尋ねていたこと等が現地メディアによって報道されている。
(関連JETRO記事) http://www.jetro.go.jp/world/asia/in/ip/pdf/news_20141216.pdf