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【米国】最近の法定主題適格性(Abstract Idea)に関する2つのCAFC事件

IPニュース 2015.02.25
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最近の法定主題適格性に関する2つのCAFC事件を紹介したい。最初に、事件が長年にわたって審理されている間にAlice最高裁判決がなされた結果、一転、法定主題適格性が否定され、特許が無効と判示されたCAFC判決(Case1)を紹介し、次に、Alice最高裁判決後、初めて法定主題適格性が肯定されたCAFC判決(Case2)を紹介する。

 

[Case1] Ultramercial, Inc. v. Hulu, LLC(判決文

① 原告Ultramercial社は、「消費者に広告とともに著作物を無料でインターネット配信する方法」に係る米国特許第7,346,545号を保有し、被告WildTangent社等による特許権侵害の訴えを地裁に提起した。被告は、’545特許は法定主題適格性を欠くとして、訴えの棄却を申し立てたところ、地裁はこれを容認する判決をした。CAFCは、地裁の容認判決は誤りである(法定主題適格性あり-1)とし、事件を地裁に差し戻した。

② 被告は、最高裁に裁量上訴請求し、最高裁は、この請求を認め、Mayo事件の判示内容に基づいて事件を再考するようCAFCに差し戻した。CAFCは、あらためて地裁の容認判決は誤りである(法定主題適格性あり-2)とし、事件を地裁に差し戻した。

③ 被告は、再び、最高裁に裁量上訴請求し、最高裁は、この請求を認め、Alice事件の判示内容に基づいて事件を再考するよう再度CAFCに差し戻した。CAFCは、Alice最高裁判例に倣い、’545特許はユーザに対して無料のコンテンツを見せる前に広告を見せるものであり、単なる抽象的概念(abstract idea)に過ぎず、法定主題適格性を欠くと判示した。

 

[Case2] DDR Holdings,LLC v. Hotels.com L.P(判決文

本事件では、原告DDR Holidings LLCが保有する特許US7,818,399に関して、法定主題適格性を有するか否かが争われた。’399特許は、「ホストウェブサイトの閲覧者が第三者の広告リンクをクリックした場合、閲覧者をリンク先へ移動させることなく、そのホストウェブサイトと第三者の広告内容とが融合した複合サイトが生成され、該複合サイトに閲覧者を導くシステム、方法」に関するものである。

CAFCは、Alice最高裁判例に倣い、’399特許は、それだけでは法定主題適格性を有さない抽象概念(abstract idea)であると判断した上で(ステップ1)、単にインターネット普及以前から存在するビジネス手法を記載するものではなく、コンピュータネットワーク上で生じる問題を解消すべく、必要によりコンピュータ技術を活用していることから「実質的に不特許事由以上のもの」に相当すると判断し(ステップ2)、’399特許の法定主題適格性を肯定した。

以上

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