2017年10月4日、CAFCは、Aqua Products, INC.のcaseにおいて、IPRにおける補正されたクレームの特許性についての説明責任は、請求人が負うとの見解を示しました。それにより、2017年11月21日、USPTOは、Aqua Products, INC. のcase に基づく補正のガイダンスを公表しました。その概要を以下に記載します。
1.背景
従来、IPRでは、補正クレームが特許性を有していることの説明責任は、特許権者が負うという運用になっていた。これに対し、Aquaは、米国特許法第316条(e)は特許性欠如の立証責任を請求人に課していると主張した。CAFCは、一旦Aquaの主張を退けたが、大法廷の再審理において、主導的見解として、補正クレームの特許性欠如の立証責任は請求人にあると判断した。
2.ガイダンスの概要
上記判断を踏まえ、ガイダンスでは、補正クレームの立証責任は特許権者にないことが明記された。そして、Boardは、請求人による反論を含む全ての記録に基づき、証拠の優越で補正クレームの特許性欠如を判断するとしている。また、この変更による手続の変更はない旨、述べられている。例えば、特許権者は、37C.F.R.§42.121又は§42.221に基づく補正の申立(motion to amend)に関する要件に従わなければならない。すなわち、補正の申立においては、明細書のサポートがあること、代替クレームに関し出願日の利益を得ることができるものであることを説明するとともに、無効理由に応答しなければならない。また、特許権者は、代替クレームの特許性に対して重要であると考える情報をBoardに開示する義務がある。
guidance_on_motions_to_amend_11_2017
以 上