台湾専利法改正案が立法院(国会)で可決されました。主たる改正項目は以下の通りです。
※現時点において、施行日は確定していません。
1.特許
– 登録査定後の分割時期および客体要件(第34条、46条、71条、119条、120条)–分割時期
(改正前)特許査定通知書の送達から30日以内は分割可、再審査による特許査定後は分割不可
(改正後)最初の審査または再審査による特許査定通知書の送達から3ヶ月以内は分割可
※実用新案についても特許に合わせて分割時期が改正されました(以下参照)。
–客体要件
(新設)出願時の明細書または図面に記載された発明であって特許された請求項に係る発明でないもの
– 延長登録無効事由(第57条)
※改正前は、TIPOで認められた延長期間が 外国の特許庁が認めた延長期間を超えることは、延長登録の出願・審査時には要件とされていませんでしたが、無効理由に規定されていたため、改正により当該規定が撤廃されました。
2. 実用新案
– 実用新案登録の訂正時期(118条)
(新設)実用新案権者は、無効審判における訂正請求を除き、実用新案技術評価の請求が受理されているとき、又は実用新案権が訴訟事件に係属しているときにのみ 訂正審判の請求が可能。
※無効審判における訂正請求の時期については上記参照。
※TIPOによれば、改正後は実用新案権の設定登録後の訂正請求について実体審査がされることになりました。なお、改正法の条文上、当該訂正請求が実体審査されることについては明記されていません。
– 実用新案出願の分割時期(第107条)
(改正前)出願の査定前
(改正後)出願の査定前、または、登録通知書の送達から3ヶ月以内
3.特許・実用新案
– 無効審判における訂正請求(第73条、74条、77条)
(新設)無効審判においては答弁書等の提出期間にのみ訂正請求できる。但し、係る特許権が訴訟事件に係属しているときはこの限りでない。
(改正前)無効審判において、係る特許権の訂正審判が容認されるとき、訂正された明細書等を無効審判請求人に送付しなければならない。
(改正後)無効審判において、係る特許権の訂正審判が容認されるとき、訂正された明細書等を無効審判請求人に送付しなければならない。ただし、請求項を削除したのみの訂正については、この限りでない。
– 無効審判の審理(第73条、74条、77条)
(改正前)新たな無効理由または無効証拠は無効審判請求から1ヶ月以内に提出しなければならない。ただし、審決前に提出されたものを参酌しなければならない。
(改正後)新たな理由または証拠は無効審判請求から3ヶ月以内に提出しなければならない。期限経過後に提出されたものを参酌しない。
(新設)特許庁が無効審判請求人または特許権者に意見または答弁を求めるように通知するとき、無効審判請求人または特許権者は通知書の送達から1ヶ月以内に対応しなければならない。期限経過後に提出されたものを参酌しない。
4.意匠
意匠権の保護期間の延長(135条)
(改正前)出願日から12年
(改正後)出願日から15年
5.特許・実用新案・意匠
優先権の回復(第29条)
(改正前)故意でなく出願と同時に優先権を主張していなかった場合、優先権の回復が可能
(改正後)故意でなく出願と同時に優先権を主張していなかった場合、または、出願と同時の優先権主張において第1出願日、第1出願国が記載されておらず、優先権主張がされていないとみなされる場合、優先権の回復が可能。