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【ブラジル】バックログ解消のためのプログラム

IPニュース 2019.08.20
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 2019年7月9日、ブラジル国家産業財産権庁(INPI)は、バックログ解消のための新しい決議(Resolution 240/2019(以下、240決議という)およびResolution 241/2019(以下、241決議という))を発表しました。240決議の施行日は2019年8月1日、241決議の施行日は2019年7月22日です。ブラジル特許庁は係属中の出願の大部分を2年以内に審査することを目標としています。

  240決議:対応外国特許出願の調査報告のない出願が対象
  241決議:対応外国特許出願の調査報告に対応するクレームのある出願が対象

 これらの決議の対象となる出願の他の条件は、
  I.INPIによる審査が開始されていない。
  II.いかなる早期審査・優先審査(例えば、PPH)も請求されていない。
  III.第三者からの情報提供・ANVISAによる見解が提出されていない。
  IV.出願日が2016年12月31日以前(国際出願の場合は国際出願日、分割出願は親出願の出願日が基準になると考えられます)。
 なお、これらの決議の対象外となった出願からの分割出願も、決議の対象外となります。

 240決議に対応する出願の場合、INPIの審査官が調査を行い、調査報告と補正/意見書提出の要請を含む予備的通知(Preliminary office action)が発行されます。
 241決議に対応する出願の場合、外国特許庁の調査報告で挙げられた引用文献と、補正/意見書提出の要請を含む予備的通知が発行されます。外国特許庁は、審査結果を利用できるあらゆる特許庁(JP、US、CN、EP、WIPO等)が対象となります。

 出願人は、補正/意見書により応答することになります。応答は、国内法および審査ガイドラインに沿ったものでなければなりません。例えば、審査請求時のクレームから範囲を広げる補正は認められておりません。また、応答の際にクレーム数が増加した場合は増加した分の審査請求料の納付が必要となります。

 予備的通知に対する応答期間は90日(延長不可)です。期間内に応答しなかった場合、審査が終了し(shelving)、権利化不能となります。当該処分に対して不服申立はできません。

 予備的通知が発行された後、審査官が新たな引用文献を追加することはありません。

 応答により拒絶が解消した場合は許可され、解消しない場合は拒絶査定となり、審査継続のためには審判請求が必要となり、審査結果の決定が大幅に遅くなることが予想されます。迅速な許可を得るためには、1回の応答で許可されるように方針を定めることが重要となります。なお、他国の許可クレームに合わせることは強力な応答であると考えられますが、他国とは異なる方針で、引例に対して詳細に反論することも可能です。

 ブラジル特許庁は係属中の出願の大部分を2年以内に審査することを目指しており、多数の予備的通知が集中して発行される可能性があります。応答期間は90日で、延長できません期間内に応答しなければ権利化不可能となるため、応答期限には十分ご注意ください。

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