Ordinance #2,466/2020(2020年10月15日発行)により、ブラジル保健省(Ministry of Health)は、知的財産に関する2つの諮問機関(COMPISおよびGAPIS)を創設し、国家衛生監督庁(ANVISA)の事前承認プロセスの基準を変更しました。
ブラジル特許法(#9,279/1996)第229-C条は、医薬品またはその製法に関する出願への特許の付与はANVISAの事前承認を必要とすると規定しています。これらの出願は、ブラジル産業財産庁(INPI)による審査に先立ちANVISAに送られます。ANVISAがこの規定を根拠に独自に特許要件の審査を行うことが問題となっていましたが、2017年のINPIとANVISAとの共同決議により、ANVISAは公衆衛生の観点のみから審査を行うこととなりました。ANVISAは、出願がブラジルで禁止されている医薬品またはその製法に関するものでない場合は事前承認を行います。しかし、ブラジルの医療保障制度である統一医療システム(SUS)に重要な医薬品またはその製法に関する場合、特許要件に関する意見を付してもよく、その意見はINPIに審査の補助資料として提供されます。
Ordinance #2,466/2020は、SUSに重要な医薬品またはその製法の範囲を以下のI~IVのいずれかに該当するものに拡大しました。I~IIIが追加され、IVが修正((b)、(d)、(e)、(h)が追加および「顧みられない病気(neglected disease)」が削除)されています。COMPISおよびGAPISは保健省をサポートし、下記要件に該当する出願の選定に影響力を持つと考えられます。これにより、今後、ANVISAにより特許要件を審査される出願が増加することが予想されます。
I. 保健省からINPIへの優先審査請求の対象である;
II . 医薬品へのアクセスを取得するための訴訟の対象物である特許出願に関する技術である;
III. 保健省の活動に関連する分野に関する;
IV. 治療用途に応じて以下のグループからANVISAにより選択される:
(a)感染症および寄生虫症;(b)呼吸器系疾患;(c)神経系疾患;(d)希少疾患;(e)消化器系疾患;(f)血液または造血器官の疾患;(g)免疫系疾患;(h)循環器系疾患;(i)新生物;(j)ワクチンおよび血清。