2021年7月1日から、特許協力条約(PCT)に基づく国際出願を英語で行う場合、国際調査機関として、インド特許庁を選択することが可能となりました。
その1つの利点として、国際調査機関としてインド特許庁を選択すれば、インドでの早期審査の要件を満たすため、インドに移行するときに早期審査制度を利用できることが挙げられます。
従来利用できる早期審査制度は、二国間特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムを利用するものなどに限られていました。しかし、上記プログラムは、技術分野と年間の申請可能件数が限られており、利用し難いものとなっていました。
国際調査機関としてインドを選択することで、利用できる早期審査制度の選択肢が増え、インドでの早期審査を行いやすくなったといえます。
また、別の利点として、国際調査機関としてインド特許庁を選択すれば、国際調査を行う場合の調査手数料が安価になることが挙げられます(日本特許庁HP「国際出願関係手数料改定のお知らせ」をご覧ください)。
一方、本制度は、インド特許庁において導入し始めたばかりのため、その調査能力・結果については今後注視していく必要があるといえます。
(佐藤 渉、山田 純子)