2023年4月18日より、米国特許商標庁(USPTO)は、電子特許証(electronic patent grant, eGrant)の発行を開始しました。これにより、登録料納付から特許証発行までの期間が短縮されます。
対象は、全ての特許(意匠特許、植物特許及び再発行特許も含む)ですが、訂正証明書(Certificates of Correction)と再審査証(Reexamination Certificates)については、現時点では紙媒体で発行されます。
<電子特許証の特徴>
・正式な特許証となります。外観は、紙媒体の特許証と同じです(ただし、署名はデジタル署名となります)。
・PDF形式で提供されます。登録日からPatent Centerを通じて閲覧・ダウンロード可能となります。
・暗号化された認証/検証技術が使用されています。
なお、開始日(2023年4月18日)後の一定の移行期間が設けられ、その間は電子特許証と共に紙媒体の特許証(ceremonial paper copy)が無料で発行されます(正式な特許証は電子特許証です)。移行期間は決まっておりませんが、移行期間終了後には紙媒体の特許証の発行には一定の手数料が必要になるとされています。
<実務上の留意点>
電子特許証の発行開始により登録までの期間が短縮されるため、登録料納付後から特許証発行までのIDS提出義務期間(IDS提出にはRCEを要する)が短くなる点、そして、登録料納付後に継続・分割出願できる期間も短くなる点には注意すべきです。
(参考)
・USPTO HP:eGrants
・Federal Register : USPTO Officially Transitions to Issuing Electronic Patent Grants in 2023