知的財産権制度の国際的調和の重要性は、19世紀末のパリ条約誕生の時代から叫ばれていた課題である。近年に至っては、1980年前半以来、WIPOの場において外交会議の開催を含め、多大な努力が払われたにもかかわらず、一部、方式・手順面での進展をみたものの、
実体面での調和には、ほど遠い状況である。
調和化を困難にしている背景として、世界経済のグローバル化し、技術発展が目覚ましくなってきて、より十全な知的財産権への要請が高まってきている反面、公衆衛生、気候変動、エネルギー、食物、遺伝資源などを巡る地球規模の課題が顕在化し、より柔軟な国際的法制度を求める声も強まってきたことが挙げられよう。
このプレゼンは、これまでの国際的議論を振り返り、テーマ、フォーラムごとに経時的に整理し、国際調和の現状および今後の趨勢の理解に役立てるべく作成したものである。