News Menu

News & Topics

(速報)【日本】知財高裁大合議事件(令和5年(ネ)第10040号)

IPニュース 2025.03.31
  • Twitter
  • facebook

 2025年3月19日に、大合議事件(令和5年(ネ)第10040号)の判決の言い渡しがありました。当該事件関連の情報は末尾の知財高裁HPご参照のこと。

[事件の概要]
 本件大合議事件は、人間から採取したものをその人間に戻す行為が予定されている医薬組成物(物の発明)に係る特許権でもって、当該行為を行った医師を訴えた東京地裁事件の判決(非侵害)の控訴審であり、知財高裁は、原判決を取消して、当該医師の特許権侵害の成立を認めました(令和5年(ネ)第10040号)。

 争点の1つは、本件特許発明は、組成物という「物の発明」に関するが、実質的には医療行為に関する「方法の発明」に当たるから、本件特許発明は「産業上利用することができる発明」(特許法29条1項柱書)に違反するという無効理由が存するか否かというものでした。この点、知財高裁は、「人間から採取したものを原材料として、最終的にそれがその人間の体内に戻されることが予定されている物の発明について、そのことをもって、これを実質的に『方法の発明』に当たるとか、一連の行為としてみると医療行為であるから『産業上利用することができる発明』に当たらないなどということはできない。」とし、当該無効理由が存するとは言えない旨を判示しました。
 別の争点は、当該組成物の製造行為が調剤行為の免責規定(特許法69条3項)に当たるか否かというものでした。この点、知財高裁は、当該組成物は、「明細書等の記載からして、豊胸のために使用するものであり、その目的は主として審美にあるとされている。その上、現在の社会通念に照らしてみても、本件特許発明に係る組成物は、『人の病気の診断、治療、処置又は予防のため使用する物』と認めることはできない。」とし、調剤行為の免責規定による抗弁に理由はない旨を判示しました。

(参考)
知財高裁HP:
令和5年(ネ)第10040号-事件の概要
令和5年(ネ)第10040号-判決の要旨

(追記)
 知財高裁HPで本事件の判決文全文が公開されました。
知財高裁HP:令和5年(ネ)第10040号判決文全文

(坂田 啓司)

Categories

Years

Tags