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【日本】種苗法による植物新品種の保護制度

IPニュース 2012.11.17
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弁理士 野呂祐司

● 制度の概要
法目的: 新品種の保護制度を定めることにより、品種育成の振興をはかり、農林水産業の発展に寄与すること
保護対象: 栽培される全ての植物 + 特定のきのこ
保護方法: 出願、審査を経て、品種登録されることにより「育成者権」を付与
*権利者(育成者権者)は、登録品種の種苗、収穫物および一定の加工品を業として利用する権利を専有。無権原利用者には差止、損害賠償、信用回復措置等が可能

品種登録の要件: DUSテスト(区別性、均一性、安定性)、名称の適切性、未譲渡性、先願
特許法と共通する規定多数: 出願人適格(育成者またはその承継人)、冒認出願、共同出願、職務育成、出願公表、仮保護(補償金請求権)、優先権、専用/通常利用権、先利用権、裁定等
特許との相違点: 存続期間(登録日から25または30年)、権利範囲(現物により画される)、審判制度なし、職権による登録取消あり

● 権利化手続
①出願
・担当部署: 農林水産省 食料産業局 新事業創出課 種苗審査室登録チーム」)
・必要書類: 願書、説明書(特性を記載)、写真、譲渡証、委任状、優先権証明書
・栽培試験用の種子、種苗または種菌(きのこ菌株)の提出が必要
②名称審査(公表前および登録前): 変更命令 → 名称変更届出書
③特性審査(DUSテスト)+未譲渡性等: 拒絶理由通知 → 意見書
④品種登録・公示 → 登録料納付

*必要書類のフォームや記載要領など必要な物は農水省の品種登録ホームページ(http://www.hinsyu.maff.go.jp/)で入手可能。
*手続は電子化されていない。また、全て到達主義。

● 育成者権
効力範囲: 登録品種、これと明確に区別されない品種、従属品種、交雑品種
範囲内か否か → 登録簿記載の特性ではなく、登録品種の現物と比較。
品種類似性試験により判定(特性比較、比較栽培、DNA分析)
効力が及ばない範囲: 試験研究、農家の自家採種、消尽
職権による登録取消の他、品種登録に対する異議申立が可能

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