FRAND宣言のなされた標準必須特許に基づく損害賠償請求権の成否についての判例(平成25年(ネ)第10043号)について紹介する。
(1)FRAND宣言はライセンス契約の申込みとは認められず、FRAND宣言によって特許権のライセンス契約は成立しない。
(2)FRAND宣言のなされた標準必須特許に基づく損害賠償請求は、FRAND条件でのライセンス料相当額を超える部分では権利の濫用に当たるが、FRAND条件でのライセンス料相当額の範囲内では権利の濫用に当たらない。ただし、特段の事情が存する場合には、この限りでない。
(3)FRAND条件によるライセンス料の算出。