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【米国】明確性要件に関する連邦最高裁判決(Nautilus判決)

IPニュース 2014.10.12
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2014年6月2日、NAUTILUS, INC. v. BIOSIG INSTRUMENTS, INC.事件において、連邦最高裁は、AIA112条(b)(Pre-AIA112条(2))におけるクレーム明確性要件の基準を従来の「insolubly ambiguous基準」から「reasonable certainty基準」に変更する判決を下した。

事件の経過

①Biosig特許(USP 5,337,753)のclaim 1の用語 “spaced relationship” の明確性が争点となった。
②高裁(CAFC)は従来基準に基づいて明確性を審理し、当該用語が明確であると結論した。
③最高裁は従来基準を否定し、新基準を判示した上で事件を高裁に差し戻した。

従来基準「insolubly ambiguous基準」

従来基準では、クレームが「解釈困難(not amenable to construction)」または「解釈できないほどに曖昧(insolubly ambiguous)」のいずれかの場合に限って不明確と判断され、これらに該当しなければ明確性要件を満たすと判断されていた。

A claim is indefinite only when it is “not amenable to construction” or “insolubly ambiguous” (Datamize, LLC v. Plumtree Software, Inc., 417 F. 3d 1342, 1347 (CA Fed. 2005)).

しかし、最高裁は「高裁が用いた従来基準は曖昧なクレームを許容するものであり、従来基準では法規の明確性要件を判断できない」として、従来基準を否定した

新基準「reasonable certainty基準」

最高裁の新基準では、「当業者が明細書や出願経過を参酌しても、合理的な確証(reasonable certainty)をもって、発明の権利範囲を理解できない」場合に不明確と判断される。

A patent is invalid for indefiniteness if its claims, read in light of the patent’s specification and prosecution history, fail to inform, with reasonable certainty, those skilled in the art about the scope of the invention.

この不明確の範囲がどの程度かは未だ分からないものの、新基準の趣旨が「従来基準では明確であると判断されていた曖昧なクレームを、不明確であると判断できるようにすること」にあるので、新基準では従来基準よりも不明確の範囲が広がると考えられる。

NAUTILUS, INC. v. BIOSIG INSTRUMENTS, INC.事件判決文

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