先輩社員の座談会 弁理士 北出 英敏、弁理士 岡部 英隆、弁理士 津村 祐子、弁理士 田中 陽介

国内外の多種多様な案件に携わり、
さらにキャリアアップを!

弁理士
北出 英敏
特許 / 電気・電子、情報通信、AI
2020年入所 / 2009年弁理士登録
弁理士
津村 祐子
特許 / 化学・材料
2020年入所 / 2013年弁理士登録
弁理士 / パートナー
岡部 英隆
特許 / 電気・電子、情報通信
1999~2003年在籍、2020年再入所 / 2004年弁理士登録
弁理士 / パートナー
田中 陽介
商標、特定不正競争行為等を含む商標関連法務
2012年入所 / 2005年弁理士登録
01/ 04

転職組の先輩所員たちが語る
青山特許事務所への道筋

田中:今日集まった4人は、経験者採用で入所したメンバーなので、それぞれの専門分野と、以前どんな事務所にいて、どういうきっかけで青山特許事務所へ移ってきたのか、といったところから話していきましょうか。

北出:私は2020年8月入所で、電気・電子、情報通信、AIを専門としています。前職は所員数50人程度の特許事務所で、約20年勤務しました。
弁理士試験に同期で合格した呉英燦さんが青山特許事務所で勤務されており、日本弁理士会の国際活動センター外国情報部欧州・アフリカ部でともに委員を務めていたので、以前からいろいろ青山特許事務所のことは聞いていました。
共同代表の山尾憲人さんも欧州・アフリカ部で、以前から存じ上げていたこともあり、転職を考えていることを話すとトントン拍子に入所が決まりました。

津村:私は2020年4月入所です。専門は有機化学で、いまは化学・材料を担当しています。大学卒業後、就職した繊維メーカーで知財部に配属され、弁理士の仕事に興味をもつようになり、特許事務所に転職しました。
最初は所員数30~40人の事務所、直近では10人程度の事務所に在籍していました。それなりに楽しく仕事をしていたのですが、大きな事務所でもっといろんな業務に携わりたいと思い、関西で最大級の青山特許事務所に入所しました。

岡部:私の専門は情報通信やソフトウェア、AI です。入所は2020年4月ですが、実は以前にもこちらで勤務したことがあります。その後、別の事務所で働きながら弁理士資格を取得し実務経験を積んで、また青山特許事務所に戻ってきました。
直近の事務所は弁理士が約10人のブティック型だったのですが、事務所で受任する技術分野がシフトしはじめ、これまでの経験をいかしにくくなってきたところへ、青山特許事務所から「情報通信分野の弁理士を探しているから来ないか」とお誘いをいただいた次第です。

田中:僕は2012年11月入所です。前の事務所は所員数200人超でした。ここほどではないけれど、いわゆる大手事務所の一つですね。そこで資格を取り、商標を中心にやってきましたが、30代半ばで思い立って、業界老舗の青山特許事務所に応募し、即戦力として採用されました。ちがう環境に身をおき実力を試したいという気持ちもありましたが、新卒のとき事務職で応募して不採用にされたリベンジでもありました。

02/ 04

独断のトップダウン方式を排し、
組織だって合理的に意思決定

田中:「入所前に想像していたのとちがうな」と感じていることはありますか。

北出:一番驚いたのは、一般企業のように組織立って意思決定していることです。
特許事務所というのは、まず弁理士という資格者がいて、その個人に依頼するクライアントがつき、だんだんクライアントや案件が増えて事務所自体が大きくなっていくパターンが一般的です。だから、所長がすべての舵取りをするトップダウン型が多いように思います。
しかし青山特許事務所は、パートナー会議の決定をもって進めるという方針をきちんと守ろうとしていて、それをトップがよしとしているところにも、意識の高さを感じました。

岡部:トップダウン型の事務所では、所員が長い時間をかけて話し合って決めたことを、所長が一晩でひっくり返した、なんて話も聞きますからね。その点、フラット型は合理的だと思います。

津村:私も、特許事務所は個人で動いているイメージが強かったので、弁理士だけで100人以上もいるのに、わりと横並びでフラットな空気感があり驚きました。一方で、弁理士としての仕事以外に、事務所としてしなければならない仕事も結構多く、そこにどれだけ時間をさけるのか、というのが悩みのタネでもあります。よくも悪くも企業っぽいというか……(笑)。

田中:トップダウンもフラットも一長一短ありますよね。青山特許事務所は比較的フラットな組織で、風通しのよさが持ち味だと思いますが、トップダウンに比べると意思決定は遅くなりがちです。でも以前に比べると、事務所全体の業務が標準化され、情報共有もできるようになったなど、メリットもあります。完璧な組織はないと思うので、そのときどきでベストなかたちを模索していけばいいんじゃないでしょうか。

北出:どちらがいいと簡単には言い切れませんが、若い世代は物事を話し合って決めるスタイルに慣れているので、トップダウン型の組織はなじまないかもしれません。それに、これだけいろんな情報が増えている世の中なので、みんなで知恵を出し合うことは大事だと思います。

岡部:私が最初に在籍したのは田中さんが入られる前ですが、組織のあり方がずいぶん変わりましたよね。以前は、所内に横のつながりは今ほどなく、グループごとに所長と所員がいる小さな特許事務所の集合体のようでした。いまは専門ごとに分かれてはいるけれど、横のつながりもあって、まるでちがう印象です。

田中:僕が入った2012年ごろは変革期にあり、変えていこうという風潮が生まれはじめていた頃です。やはり個人事務所の寄せ集め状態では、微妙にやり方がちがったり、統制がとれていなかったりで、担当者によって仕事の質にムラがでてきます。青山特許事務所の看板を背負っている以上、クオリティを均一に保つことは重要であると当時の上層部が考えて、組織改革に取り組んだと聞いています。

津村:分野が異なるグループ間のコミュニケーションがとれていて、情報共有し協力し合える関係性があるのはいいですね。入所前に知人から「あそこはアットホームな事務所だよ」と聞いていたのですが、「なるほど、こういうことか」と実感しました。

田中:アットホームというか、「和」を大事にしている事務所であるところは、個人的にすごく気に入っています。たとえば、年末には年越しそばを全員に配りましたよね。

北出:最初のときはびっくりしました。

田中:この規模感で家族的な温かい雰囲気をキープできているのは、創設者である青山葆先生の想いがみんなに浸透しているからだと思います。「よく遊びよく働くこと」や「チームワーク」を大切にしているのは、創業以来の伝統で、新入所員歓迎会や弁理士合格祝賀会といった懇親イベントも盛んです。そういう集まりで顔見知りができ、仕事上のちょっとした相談にのってもらうこともあります。

岡部:そのあたりは以前に在籍していたころも変わらなくて、クラブ活動などもあり、非常に和気あいあいとしていました。

北出:皆さん前向きで伸び伸びと働いていて、所内の雰囲気が明るいのは気持ちいいですね。

津村:人によっては前の事務所が厳しかったんでしょうね、青山特許事務所に勤めだしてから「ツキモノが落ちたように明るくなった」と、奥さんに言われた人もいるみたいですよね(笑)。

北出:確かに、転職してからプラスアルファのメリットもあって楽しみが増えました。個人的に気に入っているのは、大阪梅田の中心地という立地です。帰りにデパ地下でスイーツ巡りができるし、2月になればバレンタインチョコレートの特設会場にとんでいける(一同笑)。

岡部:北出さんはお菓子づくりが趣味ですもんね。

北出:駅に着いたら雨の日でも傘がいらないし、地下鉄もJRも私鉄も使えるから、通勤はもちろん、どこへ行くにもアクセスがよくて便利でしょう?

田中:東京オフィスも特許庁のすぐ近くで、地下鉄と直接つながってるのでとても便利です。そういう日々の快適さはポイントが高いですね。

03/ 04

多彩な人材と協力体制で
複数分野にまたがる案件や訴訟案件も

岡部:実際に働きだしてから発見した長所はありますか。

津村:すごくいいなと思っているのは、研修制度が整っているところです。明細書ドラフティングや判例の勉強会、プレゼンテーションミーティングなどが所内で定期的に開催されていて学ぶ場が多く、期待以上でした。外部研修会への参加も推奨されていますよね。全体のレベルを上げるために教育に力を入れているのだと思いますが、私個人のスキルアップにもつながるので、ありがたいです。
ここまで教育を充実させることができるのは、やはり大きな事務所だからこそでしょう。また、多種多様なバックグラウンドをもつ人がいて、いろんな経験談を聞けるのは最大のメリットですね。

北出:そうそう。これだけたくさんの弁理士がいると、どんな案件が来ても解決できるという安心感があります。前の事務所では外国案件をメインで担当する弁理士が私だけで、海外がからむと何もかも回ってくる時期があったのですが、一人でできることってやっぱり限界があるんです。青山特許事務所のように、分担して各国の法律制度を調べ、グループで運用し情報共有できるのは心強く、そういう規模をいかした取り組みに魅力を感じています。

岡部:扱う分野も、バイオや製薬、化学材料など、多岐にわたっていますよね。私の専門である情報系は、いまはどの分野にもかかわるので、別の分野の人と共同で仕事に取り組むケースがよくあります。特定の分野を専門とする事務所には、そもそも複数の分野にまたがるような案件はきませんから、新しいチャレンジの機会に恵まれていることも転職してよかったなと思うところです。もちろん勉強は必要ですが、それがむしろ楽しいですね。

北出:いろんな案件を手がけることによって、経験値が上がり、できることがどんどん増えていくのはすごく楽しいです。

田中:僕も商標に関しては、この10年でさまざまな国のありとあらゆる案件に携わらせてもらって、仕事の幅がぐっと広がりました。あとは、どこまで深掘りしていけるかが今後の課題です。さらっと流すこともできるけれど、うわべだけで仕事をしているといつかきっと壁にぶち当たるはずです。第一線で働き続けるために、最善のご提案をして潜在的なニーズにまで応えていきたいと思っています。

津村:私も、以前より幅広い業務を手掛けることができて満足しています。将来的に訴訟関係の案件なども扱ってみたいというのが、転職するときの志望動機の一つでした。それはまだかなっていないのですが、もう少し経験を積めばいずれチャンスが巡ってくるだろうと期待しています。

岡部:この業界では、訴訟案件に携わることができるのが魅力の一つですよね。青山特許事務所は国際紛争の多いライフサイエンス分野を中心に、国内外の訴訟に数多く関与してきた実績があります。海外訴訟の案件まで扱える事務所はそう多くはありません。

田中:2017年4月には法務室を拡充し、各技術部門と連携して訴訟案件に臨む態勢を整えました。青山特許事務所の特長の一つですね。

04/ 04

最新技術を学び続け、弁理士としてトップをめざす

田中:みんなそれぞれ入所前に期待していたことはある程度かなえられたようですが、今後の目標についてはどう考えていますか。

北出:日本だけじゃなく、世界を舞台に活躍できる知識を養っていきたいです。弁理士人生を振り返ったときに、「海外の案件も訴訟案件も、全部一通りやったな」といえるところまで経験を積みたいですね。

津村:私は明細書を書くのも好きで、この仕事が天職だと思っているので、できるだけ長く続けることが一番の目標です。そのためには、進歩し続ける技術についていく努力を怠ってはいけないし、明細書の書き方のスタイルにもトレンドがあるので、常に情報をアップデートしていくよう心がけています。

岡部:私も大事なのは、日頃から勉強しておくことだと考えています。通常の案件をこなすにも、英語力や法律の知識が必要ですし、技術の進歩を前提とした仕事なので、最新の動向をつかんでおかなければいけない。やることは結構多いですよね。

北出:岡部さんと田中さんのようにパートナーという立場になると、弁理士としての仕事以外に、後進の教育・指導、人事評価などの管理業務が加わってきますよね。両立させるのは大変だろうと思うのですが、どうやって2つの仕事の棲み分けをされているんですか。

田中:それはもう、ずっと板挟みですよ(笑)。自分のなかで毎日比重を入れ替えては、なんとかこなしていくという繰り返しです。でも、トップクラスの特許事務所であり続けるために、両立させることがパートナーの大事な使命だと思っています。

岡部:私も日中は、チェックしなければならない書類がひっきりなしに回ってきて、定時以降にようやく自分の仕事に取りかかるという状況に、歯がゆさは感じるときもあります。しかし、情報通信部門を立ち上げるという役割を与えられ、これまでの自分の経験を生かして思うようにやらせてもらっているので、やりがいも感じています。両方とも手は抜きたくないので、ここが踏ん張りどころかな。

田中:それぞれが向上心をもって自分のスキルを磨き、必要に応じて協力しあって、クライアントの皆様の要望に真摯にお応えすることが、事務所の存続・発展にも、僕たち自身の未来にもつながっていくので、これからもお互いがんばりましょう。