どんな特許事務所も一長一短があるので、
自分にあった職場を選んでください。
私を三度も
迎え入れてくれた青山特許事務所
実は、今の私は、青山特許事務所に三度目の入所となります。これまでに二度退職して、いずれの場合も出戻ってきました。だから今が三度目というわけです。二度の退職はともに個人的な事情でしたが、青山特許事務所には三度迎え入れていただき、感謝しています。
最初の入所は2001年です。大学で生物工学を学び、修士課程を修了して入所しました。当時、資格職が注目されていて、理系の知識を活かしながら資格を取れるということで、弁理士をめざしました。バイオ系の出願に強みを持つ青山特許事務所を希望して、幸いにも迎え入れていただきました。
ただ、勤め始めてからも研究半ばで後輩に引き継いだ大学の研究に未練が残り、研究成果を論文発表するまでやり切りたいとの思いが募ったため、青山特許事務所を退職して研究に戻りました。当時、流行していたBSE(ウシ海綿状脳症)の原因タンパク質を検出する新たな検出方法・検出装置を開発するための研究です。その成果は自分自身で出願して特許を取得することができました。並行して弁理士の試験に合格し、2010年に再び青山特許事務所に迎え入れていただいたのが、二度目の入所となります。
ところが、今度は知り合いのベテラン弁理士から特許事務所を開業するので共同経営者にならないかと誘われ、こんなチャンスはないと考えて、退職してそちらの道に飛び込みました。ベテラン弁理士と私、もう一人事務員を雇い入れた3名の小さな事務所です。サブとはいえ経営者側に立って非常にいい経験ができたと思っています。しかし、諸事情により、その特許事務所を去ることとなり、2016年にもう一度、青山特許事務所の門を叩き、三度目の入所を果たして今に至ります。
人と対面しながら
課題を解決していく特許の仕事
現在は、青山特許事務所でライフサイエンスの部門に所属し、出願業務や権利化後の仕事をしています。弁理士としてクライアントの信頼を得るためには、技術的な素養と法的な素養に裏付けられた提案をすることが重要だと常々感じています。もう一つ重要なことは、コミュニケーション能力と感じています。代理人としてクライアントが何を求めているのかを汲み取るために必要であることはいうまでもありませんが、審査官、審判官、ときには訴訟の相手方との書面でのコミュニケーションを通じて争点を解消していくためにも必須の能力だと思います。
人から信頼される専門家として一人前になるためには、技術的素養、法律的素養、そしてコミュニケーション能力をバランスよく培うことが重要で、私もまだまだ学びの途中にあります。
ある意味、
刺激に満ちた小規模特許事務所
私は資格者2名の小規模事務所と資格者が100名超の青山特許事務所の両方で働きましたが、同じ特許事務所であるとはいえ、当然、そこには大きな違いがあります。
まず、小規模な事務所では、受けた仕事は何でもこなさなければなりません。得手不得手を言ったり、案件を選んだりすることはできません。その状況をポジティブにとらえるなら、毎日が刺激的だとも言えます。
また、わからないことがあっても、小規模事務所では頼れる人がまわりに多くいません。これが、小規模特許事務所にいたときの、一番の悩みでした。ただ、難問に直面してもなんとか乗り越えるだけの強さは養われると思います。
青山特許事務所は指導体制が整い、
専門性を高められる。
一方、青山特許事務所にはあらゆる分野の弁理士がいますので、自分の得意分野の仕事が割り振られます。また、割り振られた仕事を上司がチェックする体制も整っており、わからないことがあれば、まわりに頼れる先輩やその道の専門家が大勢いますので、ムダな回り道をせずに着実に学ぶことができます。そのため、一つひとつの仕事のクオリティを高められますし、一人の弁理士としても、その分野の専門性を高めることができます。青山特許事務所で働くことの大きなメリットだと思います。私は今、このメリットを十二分に享受しています。
しかし、物事は何でも長所と短所が裏腹です。ある人にとっては魅力的な事柄でも、別の人には物足りない場合があります。
事務所の規模の大小、得意とする分野、仕事の進め方や運営方針など、事務所によって大きな違いがあり、どんな事務所も一長一短があります。特許事務所に勤めていて、別の事務所への転職を考えている人なら、この業界のことをある程度ご存知でしょうから、転職の目的に沿って、自分にあった事務所を選ぶことが一番大切だと思います。
まったく経験がなく特許事務所でゼロから始めたいと考えている人には、学ぶ体制の整った青山特許事務所に入所するのが望ましいと、私は思います。