先輩所員のインタビュー 弁理士  村石 桂一

メーカー、特許事務所、特許庁に
勤めた経験を思う存分、発揮したい。

弁理士
村石 桂一
特許 / 化学・材料
2020年入所 / 2013年弁理士登録
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たくさんの専門家に揉まれ、
成長できる環境

大学院修士課程修了後、電機メーカーで半導体関係の研究開発に携わっていましたが、特許出願経験から知財業務に興味をもつようになり、特許事務所へ転職しました。所員数50人ほどのアットホームな雰囲気の事務所で、入所2年目に弁理士資格を取得し、実務経験を積みました。その後、特許庁で任期付審査官として5年間勤務し、おもにインクジェットプリンターに関する発明の審査を担当しました。私も妻も実家が関西なのでUターンを踏まえて任期満了後の職場を探していたところ、特許庁から青山特許事務所へ転職された先輩からお声がけいただき、入所しました。現在は、化学・材料グループに所属し、主に、電子デバイス等の材料を中心に担当しています。

実は企業に在籍していたとき、青山特許事務所に特許出願を依頼したことがありました。その際、私が作成した数ページほどの発明提案書に対し、充実した明細書を作成いただいたことがあり、「技術に精通している事務所」という印象をもっていました。

転職先として青山特許事務所を選んだ決め手は、大手で弁理士が100人以上いることでした。私は人に揉まれながら成長するタイプのように感じており、経験豊かな大勢の弁理士から知識を吸収して、自分自身を成長させたいと思ったのが、青山特許事務所に転職した理由の一つです。実際に勤めてみて、別の分野の人たちから様々な考えを聞くことができ、新しい情報も入ってくるので、とても勉強になっています。

もう一つ、仕事以外でいえば、青山特許事務所の野球部が特許庁主催の「パテント杯争奪野球大会」の常連だったことも、私にとっては魅力的でした。特許庁在籍時から大会に参加していたので、できれば続けたいと思っていました。入所とともに野球部に入って、毎月楽しく練習に汗を流しています。青山特許事務所は、クラブ活動やいろんな懇親イベントがあって、福利厚生が手厚いのも長所ですね。例えば、お昼のお弁当の補助は非常に助かっています。また、コロナ禍で在宅勤務になったときに自宅で使うモニターを購入する補助などもありました。

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3つの異なる立場で
特許にかかわった経験

青山特許事務所に入所する前、メーカーで発明者、特許事務所で代理人、特許庁で審査官という、3つの異なる立場で特許にかかわった経験をもっていることが、私の強みです。研究者出身の弁理士は結構いますが、弁理士を経験してから審査官になり、再び弁理士として経験を積んでいる人は珍しいかもしれません。

特許庁での審査経験は、特に役立っています。案件を取り扱うときは、代理人としての考えとは別に、自分がその出願の担当審査官だったら……と想像するようにしています。つまり、審査する側に立った適切な反論となる意見書を考えるようにしています。また、特許庁では、特許文献の内容をいち早く的確に把握することや、文献調査のための適切な検索式を立てることを身に付けることもできましたので、非常に有益だったと感じています。

まわりの弁理士仲間からも審査について相談されたりし、頼りにしてもらえるのはとても嬉しいです。特許庁で経験してきた多くのことを事務所内に還元できたらいいなと思います。とはいっても代理人としての経験はまだまだ浅いので、苦労して明細書を書き上げたときは、「ようやくここまで漕ぎつけた」という達成感があります。

実力が試される大手事務所にきて、これまでの経験がすべて活かされていることを日々実感し、やりがいを感じています。

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豊富な海外案件に
欠かせない英語力

青山特許事務所には国内外を問わず、ありとあらゆる案件が舞い込んできます。最初の仕事は、フィンランドで出願された英文明細書の和訳でした。翻訳業務は初めてで、北欧にもなじみがなかったので新鮮でした。

その後、国内出願の明細書作成、国内外のクライアントへの中間対応のほか、すでに付与された特許を取り消す異議申立にも携わりました。異議申立は2013年の特許法改正で復活した制度で、手がけてみたいと思っていましたが、入所して1年半ほどの間に3件回ってきました。前の事務所でも、明細書作成以外に、特許調査、鑑定など広い業務に携わってきましたが、青山特許事務所に入所してから、これまでにない経験ができて充実しています。

扱う案件は、国内と海外が半々くらいでしょうか。英語の読み書きは日常茶飯事です。特許庁では年に数回、国際調査報告などを英語で起案することはありましたが、英語を使う機会はそれほど多くなかったです。採用面接のとき、英語を使う仕事が多いと聞いて覚悟はしていたのですが、いざ仕事を始めてみると、とにかく英語を使う頻度が高くて……。日本に出願する海外のクライアントへの中間対応で、拒絶理由通知を英訳したり、応答案のコメントを英文で書くこともあります。多種多様な技術の、しかも専門用語を含む難度の高い英文を大量に扱うため、最初は少し戸惑いましたが、OJTが行き届いていて、毎回グループリーダーがしっかりチェックして、細かい表現などをアドバイスしてくれるので心強いです。また、所内の勉強会等で同僚が作成する英文を参考に、表現のバリエーションを増やしたり、さらにスキルアップに励んでいるところです。自分の思いやちょっとしたニュアンスも英語で伝えられるように精進しています。

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将来は、訴訟案件にもチャレンジしたい。

特許庁に在籍していたときも、欧米の審査官の審査結果はそれなりに見てきましたが、言葉の問題だけでなく、各国の特許法や審査官の考え方による違いもあるのが難しいところです。青山特許事務所では、日本出願の担当者がそのまま海外出願を担当することになりますので、同じ案件に対し、日本の審査官の判断、欧米等を含む海外の審査官の判断の違いに直面します。このような経験を積めるのは青山特許事務所の特徴の一つだと思います。そのため、日本を含め世界中のクライアントから多種多様な依頼が寄せられるこの事務所で、第一線で活躍する大勢の弁理士たちと肩を並べて働けることに誇りを感じています。

今の目標は、あらゆる案件を滞りなくこなすこと。その積み重ねで自信がつき、先の目標も見えてくると思います。強く・広く・役に立つ権利の取得に貢献し、クライアントの深い信頼を得られるよう、精進していきたいです。また、特許庁に在籍していたとき、特定侵害訴訟代理の資格も取得しましたので、いずれは裁判や訴訟がらみの案件などにもチャレンジしたいです。